No.32の記事

メガネの話

『唯脳論』で有名な元東大解剖学教授の養老先生が、『馬鹿の壁』で百万部突破のベストセラーとなった。「話せば分かるは嘘である」と喝破した若干毒舌調である。要するに馬鹿には話が通じないと言う。

話が通らないことはクリスチャン同士のケンケンガクガクの様を見ているとなるほどである。なにしろ同じ聖書をはさんで、己が正しい、相手が間違いと延々とやっている。よく疲れないものである。

さらに『逆さメガネ』という本もお書きであり、要するにわれわれが現実を認識する際にはメガネを通して見ているのであり、現実そのものを見ているわけではないのである。私たちの内的世界像は歪んでいる。

ある方とメールのやり取りをしていて意識したのであるが、いわゆる聖書預言解釈なども、これまでの思い込み(ドグマ)をいっぺん御破算にして、新たに先入観無しに御言葉に触れる必要はないのであろうか?私などもどちらかというと「レフトビハインド」系であるが、どうも浅薄に過ぎる印象を覚えている。

映画『ベンハー』の中に、「神意は測りがたい」という台詞があるが、今回ブッシュを褒めちぎった米国原理主義クリもそろそろ現実を否応なしに知るべき時期が来ている。彼らにとってはブッシュの正体とその実態が暴かれることは、まさに天地が逆さになることである。日本が終戦で経験したことも同じである。

実はこれまでかけてきたメガネが逆さだっただけなのであるが・・・。