No.974の記事

感動した!-二宮金次郎伝-

忘れないように書き留めておく:

NHK『その時歴史が動いた』で、二宮金次郎の特集。天保の大飢饉において小田原領民4万人を救い、一人の餓死者も出さなかった彼の徳政。

自身も子供のときに天災で父母を失い、それから自然を観察するようになる。長じて没落した家を勤勉と節約で再興した功績で小田原藩に取り立てられ、遣わされた先が下野国桜町。ここは年貢が高くて勤労意欲を失った村人で荒れ放題。まず年貢を1/4とし、切り株しか掘れないがコツコツと仕事をする者に15両もの報酬を与え、人の評判はいいが陰日なたのある者を叱責しと・・・。まず民の心を潤すことからすべては始まると

かくして村人は自らやる気を起こし、天保の飢饉に対しても自己責任で備蓄すること、さらに余裕のある者がない者に分かち合うことによって乗り切る。その時の彼の言葉が泣ける、「代々同じ村に住み、同じ水を飲み、同じ風に吹かれた村民ではないか。死ぬのを黙って見ている道理はあるまい。貧乏人の中には怠けてそうなった者もおり腹が立つだろうが、それでもなお銭一文を施し、米ひとすくいを与えるのが人情というものだ。未来の実りを信じて今こそ飢餓を救うのだ。」

小田原藩でも4万人が餓えていたが、ここでも藩の備蓄米を融通の利かない官僚と対決して放出し民に回す。このときの言葉、「政治が行き届かず、飢饉に及んで民を死にいたらしめるとすれば、一体なんと言って天に謝罪するのか・・・それならば、許可状が到着するまでの四日間、我々役人一同も飢えた民同様に、断食すべし。」さらに今で言う組合を作ってファンドを設立する。かくして4万を救い、その後も生涯で600の村を再興したとのこと。ヨセフを思い起すが、温故知新。足元を見よ。アメリカの偉い先生のセミナーに出るまでもない。

彼の生涯を象徴する報徳思想、「自分の使命は民の心の荒地を耕し、潤すこと。それができれば田畑がどんなに荒れていても恐れることはない。」・・・小泉氏とブッシュ、それに現代の宗教改革をやりたいセンセイたちに見て欲しかった。

荒野と砂漠は楽しみ、荒地は喜び、サフランのように花を咲かせる。