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ケータイ社会の恐怖

アップロードファイル 58KBNHK『クローズアップ現代』を車の中で観ていたが、若者が日本語を知らないそうだ。ある会社では「差異」の意味を知らなかった若い社員がミスをして、多大な損失を出した、と。で、日本語の力はケータイメールを使う時間に比例して落ちるそうだ。ケータイを使う場合、脳の活動が手書きの場合よりぐんと落ちるという報告もあった。

さもありなん。我が学生諸君も、私の試験問題が解けないと言うので理由を聞いてみたら、何と問題文が読めないとのこと!?もっとも私の本も読むのが大変だとよく言われてますが・・・汗。最近では講義の時も、単語を理解しているかどうか確認しながら進めている始末。なにしろ「あばたもえくぼ」が分からない人たちですからね(→参考記事)。

言葉が通じないことはまさに社会の基盤を揺るがす。私は若者を20年に渡って定点観測しているが、昔予想したとおりの社会になっているのが、むしろ不気味である。言葉が通じない以上、殺(や)るしかないわけで、最近も女子高生が交際を断わられた男子学生に刺されている。思えばまことに怖い社会に生きているものだ。

あいみての/後の心にくらぶれば/昔はものを想わざりけり

なんてほとんど宇宙語なんでしょうね、彼らにとっては。かくして「逝け!」とか「死ね!」とか「ウザイ・キモイ・クサイ」だけの世界になるわけです。まさに豊かな色彩のアナログ的情緒の欠如したデジタル語の世界です。だからいじめられてもそれを昇華し表現することができない。この場合は自分を殺るしかないわけだ。言葉の貧困と最近の病理現象は明らかにシンクロしている。

 * * *

中間選挙は民主党の大躍進だそうだが、さてさて、残りの任期、ブッシュはどうするのでしょう。Time誌では"The Lone Ranger"と言われていたが。そして次期はヒラリーが、ってことになるのだろうか?

(写真はケータイ社会と無縁の今朝の富士山)

Commented by DJ Jerry Eメール 2006年11月09日(木)01:45

たらちねの 母の命を 一目見ん・・・
故郷の 訛り懐かし 停車場に・・・

Dr Luke のコメントを読んでいたら、中学のときに詠んだ歌が浮かんできました。今の生徒は「たらちね」も「停車場」も知らないんでしょうね。僕の家は昔駅の近くにあったので、親戚の間では「停車場」と呼ばれてました。去年、授業中に「老婆心ながら」と言ったら生徒はみんなキョトンとしてました。

白鳥は 悲しからずや 空の青 海の青にも 染まず漂う

短歌に限らず、昔の文学っていいですね。僕は寺田寅彦が好きで、随筆に出てくる古き良き日本の匂いに涙します。あ〜、京都や奈良のお寺の林の中で北原白秋でも読みたくなってきました。

ところで、誰かこの俳句の読み手をご存知ないですか?高校生のときに耳にした歌です。とても気に入ってます。
下駄からり ころり源太が 夕涼み

Commented by Luke 2006年11月09日(木)19:52

いいですね、LAでも俳句どんどん詠んでください^^