個別表示

秋ゆかば・・・

ある方からメールが来た:「自分はルークさんをこれまでずっと恨んできました。でも分かりました。恨んでしまってすみません。」と。「う〜ん、何だ、これ???」

TVでもよく見る上智大の福島先生も、かつて患者のストーカーに粘着され、当時はストーカー規制法もなかったので、エライ目にあった、と著書にあった。先生はあまりのストレスでPTSDになったとか・・・。

私もしばしばこういったことは経験する。アメリカなどでは治療で虐待を受けたとかで、セラピストを訴える訴訟妄想患者も多い。大学でも学生と自室で話すときのために、ドアのガラスは素通しになっている。密室でのことを訴えられたらこちらは弁護のしようがなくなるため。

私たちのような立場は、ある種の映画のスクリーンみたいなもので、それぞれの理想像とか、父親像とか、期待像を映し込まれるわけ。これを投影と言う。その像に沿っているうちは"すばらしい人"となるのだが、ちょっとでもそのイメージに外れると、期待値が高いほど、裏切られたと感じ、失望から憎悪に変わる。分析用語で言えば、陽転移から陰転移になる。

(陰の声:ニッポンキリスト教の名牧師は、この投影を実にうまく受けることができる人なんですね。つまりはアイドル。永遠のアイドルの役柄を続けることができる御仁なのです。その点、私などはキャンディーズ、いや都はるみなわけ・・・わっかるかなあ〜?)

この豹変振りはある意味で驚くべきほどであって、私たちはつねにこのようなリスクを負っているわけ。つまり「Dr.ルーク」がリアルな私から分離して、勝手な投影されたイメージが一人歩きするのだ。

私の精神科医をしている義兄もつねにある種の危険を感じていると言う。昨今では妄想が即実行に移される率が高まっている。実際対応を誤って刺されてしまう医師もいるのだ。彼らとは決してガチンコをしてはならない。彼らの内に蓄積されたネガティヴなエネルギーを抜く必要がある。これがうまく抜けると実にコロっと変わって、穏やかになる。この豹変振りも驚くほど。

まことに人は一体は何故に・・・。またこのような人を神は何故に・・・と。ニ・ン・ゲ・ン−この不可解なモノ。

もの思ふ秋だなあ・・・はあ〜。