ドクター・ルークの

ダイレクト・カウンセリング


総 論





医学博士 唐 沢  治


■霊精神身体医学の提唱とワンダフルカウンセラーとの出会い


ひとりのみどりごがわれわれに与えられた。その名は…不思議な助言者 (Wonderful Counselor) …と呼ばれる(イザヤ9:6)

真理はあなたがたを自由とする。子があなたがたを自由とするならば、あなたがたはほんとうに自由な者となるのである(ヨハネ8:31,35)。




T. 総 論


1.理 念

真のカウンセラーは人ではなく、イエスご自身。われわれはイエスへの導き手に過ぎない。


2.方 法

イエスとの個人的人格的出会い。テクニックではない!


3.根 拠

イエスの十字架−罪の赦しと病の癒し・人のあらゆる必要の満たし


4.キーワード

キリストにあって(In Christ)。


5.真理の必要性

・十字架においてなされた事実と神の御旨を知る→信仰は聞くことから。
・神とサタンと人に対する霊的知識。体・魂・霊の法則。



6.回復の順序

・聖霊→霊(再生)→魂(聖化・造り変え)→体(贖い)(いのちの流れ)

・ことばの務めの方程式:レーマ(Rhema)=ロゴス(Logos)+信仰(Faith)
                    =いのち(Zoe)
                    =霊(spirit)


人を生かすのは霊である。肉は何の役にも立たない→霊精神身体医学(Pneuma-Psyco-Somatic Medicine)の提唱


7.扉と鍵

・扉→悔い改め=自己や自己の問題・必要から目を離すこと

・鍵→信  仰=人やミニストリーではなくイエスへのまったき依存


8.ポイント

・魂の法則=精神交互作用→自己を放下(→自己の死)。
得ようとすれば失い、失えば得る。自己にあって死に、キリストにあって生きる(=死と復活の原則)→新しい自己=内に生きるキリスト。


・自己を見ないこと→古い自己は十字架で終わっているが、その痕跡が肉として残る。肉を掘っても何も出ない。肉は十字架につける(ガラテヤ5:24)。


9.究極の目的

個人の回復からキリストの体の建て上げ→キリストの花嫁の準備


栄光の教会

キリストがそうされたのは、みことばにより、水の洗いをもって、教会をきよめて聖なるものとするためであり、ご自身で、しみや、しわや、そのようなものの何一つない、聖く傷のないものとなった栄光の教会を、ご自身の前に立たせるためです(エペソ5:26,27)。




U.各 論


1. 罪―問題の侵入―

(1)問題のルーツ ― 堕落による罪の侵入 ―

(2)堕落:一人の違反によって人類に罪が入った(ローマ5:12)。

・堕落のプロセス:誘惑→不信仰→不従順→罪の行為(→誘惑の本質について

(3)罪の在り方

@複数形の罪々(行為としての罪:ロマ書前半)→ イエスの血潮

A単数形の罪 (原理or内住の罪:ロマ書7章)→ 十字架における死
(→罪とは?)


(4)神の対処法

@複数形の罪 → イエスの血による洗い

A単数形の罪 → イエスの十字架

ポイント:内住の罪の抹殺ではなく、罪と体の媒介者である古い私の磔刑による。内住の罪は私ではない、私の責任は罪の支配に体を委ねないこと。



2. 肉

(1)肉(flesh)―神から離れた人の生き様―

  霊の死による神からの分離の結果、体と魂のみで生きる → 条件付け(conditioning)

(2)罪の結果:

  @霊 → 死:神との交わりが絶たれる
  A魂 → 神から独立して、思い、意志、感情に頼る→肥大化(このスペクトルが個性)→神経症的反応など
  B体 → 罪と死の法則の内住(ストレス、精神的疾患、自律神経失調症な
       ど)


  【御言葉】人は肉にすぎない、わが霊は彼の内にとどまらない(創世記6:3)

(3)人間の行動様式

@ 対象世界→認知→内的モデル→アセスメント→意志決定→行動→満足(平安)or不満足(葛藤)

A 認知過程が歪んだり、構成された内的モデルが偽りであると、意志決定と行動が狂う→不満足・葛藤。これを自力で解決しようとすると悪循環に陥る。

B 真理による内的モデル→意志決定と行動→満足と平安→新しい条件付け。

  【御言葉】あなたがたは何をどう聞き、何に従うかよくよく注意しなさい。


3. 体と魂の関係

(1)体と魂(精神)の関係―精神身体医学(Psycho―Somatic Medicine)

 ・心身相関の問題 → 精神と体は密接に関係する (自律神経失調症、転換ヒステリー、神経症、仮面うつ病)

(2)魂(Soul)と大脳(Brain)の違いは重要:

  @普通は、"私"は記憶における連続性の中でそのアイデンティティを確認している

  A聖書は、古い人の十字架の死と、新しい人の獲得を啓示する記憶における"私"は肉の幻影であり、過去のアダム的生き方の痕跡(大脳のニューロンネットワークと神経伝達物質の分布の在り方=条件付け):自分の罪・行為・失敗・傷(トラウマ)が埋め込まれている

(3)アナロジー

  @大脳=ハードウェア → 体の贖いまでは残存、この中に肉が痕跡として残存
  A魂 =ソフトウェア → アダムにある古い自己は十字架に付けられ、新しい自己を得ている


(4) 新しいアイデンティティー:新しい自己=内に生きるキリスト(ガラ2:20)

(5) 結論:精神分析やカウンセリングにより肉(=古い自己の痕跡)を掘っても
積極的なものは何も出ない。それは大脳に残る記憶と感情の痕跡であり、真理あるいはリアリティティーではない。



4. 霊と魂の関係

(1)霊と魂の関係

@新生により霊が再生される→神との交わり=新しい内的経験の開始

A魂は独立性を保ちたい=自己を主とする傾向(条件付けされている)

B霊は魂に包まれている=霊的経験の制限→魂の殻が破られる要がある

【注意】個性を破壊するのではない→魂の機能を御霊の支配化に置き、御霊のエネルギーによって作動される

(2)霊の内に内住される聖霊により臨在されるキリスト・イエスのパースンが、私たちの魂の機能を用いて表現される

(3)再生された後の問題

@ 霊と魂の癒着 → クリスチャン経験(=新しい自己が生きること)を疎外する(cf.霊と魂の分離について
A 条件付けによる肉の痕跡の影響 → 注意を集中することによりますます拡大意識される(カウンセリングの注意点)


(4)対処法:信仰によって

   @霊と魂の分離(へブル4:12)→ 魂の状態によらず御臨在にとどまる
   A肉は十字架(ガラテヤ5:24)→ 情と欲とともに十字架につけてしまった(アオリスト・テンス)


【注意】古い自己と肉は違う、古い自己はキリストによる磔刑、肉は私たちの責任


5. 造り替え(聖化)

(1)造り替え(キリストとの同形化;ガラテヤ4:19)

  ・新しい命による新しい生き方のパターンを再条件付けされる→聖化

  @扉は悔い改め→光の照射によるパターンの存在と消去

  A鍵は信仰  →新しいパターンの書き込み:RAMとROMの喩え(→聖化とは

(2)意識すべきポイント

  @過去の傷やトラウマはこの過程の中で自然と癒される→自己治癒機制

  A忘却していた事実も聖霊が時期を得て思い出せてくださる。

【御言葉】わが内に傷ついた道の歩かないかを探って下さい(詩篇)。

  Bそれらの問題に注意を集中していると自己治癒機制の発動が疎外される→自己から目を離す・任せる

  C自己の魂のいのちを得ようとすれば失い、失えば得る。

  D魂を否む=自己を忘れる(禁欲主義になることではない)

  Eすでに得ている新しい自己(=内に生きるキリスト)を生かし出すこと→自己努力によらない、御霊に頼る(ローマ8章)

  F新しい自己はすでに完全であり聖である(へブル10:14)。

(3)疎外する要因の存在→真理と事実の乖離。神の恵みはこのギャップを埋める。

  @肉体がまだ贖われていないため→肉、霊的要因(サタン)この世

  A体の癒しは最後の贖い=究極の希望(2コリ4:7)→外なる人の磨耗と内なる人の新陳代謝




V 結 論


(1)古いものは過ぎ去って、見よ、すべてが新しくなった(2コリ5:17)。

(2)古い自己のなごりを放擲して、新しい自己を信仰によって発掘する。私たちの希望とは土の器の中におられるキリストである(2コリ4:7)。

(3)心の傷とかトラウマは自己治癒機制に任せる。

(4)信仰によって天地の造り主なる全知全能の神に真に任せることができれば、ストレスからも解放される(ピリピ4:6)。


私ではなく、キリスト、これがすべてである!




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