No.2097の記事

人間性疎外

神よ、人が何者なので、これほどに御心にかけてくださるのでしょうか。

神は私たちの成り立ちを知り、私たちがちりに過ぎないことを心にとめてくださる。

この大祭司はわたしたちと同じ血肉をもたれているので、わたしたちの弱さを思いやることができない方ではありません。

ホーリネス系の年配の牧師の方がわたしの元に来て言われました:「私は長年にわたり"きよめ"について説教してきましたが、実は"きよめ"が何なのか分からなかったし、私自身ずっと葛藤して苦しんできたのです・・・」と。この方は真実な方です。

実際、私たち精神病理の学徒からみて、ウェスレーあたりの教えをまじめに実行しようとすれば、強迫神経症になるか、自堕落になるかのどちらかでしょう。リッパにやれてしまう人はウソをついている人です。

人間性を忘れ、人間の成り立ち、精神の法則、そして限界を知らない神学はこのような自前の苦しみを作り出す(→聖書的啓示と現代精神科学)。クルシチャンを見ていると、要するに自作自演の空回りをしている。髪の毛を自分で引っ張って、空を飛ぼうとしているわけ。ご苦労様なこと。

そしてもっとも深刻なことは、そのことを指摘すると、「自分はこれほどに真剣に、熱心に、頑張っているんだ!とやかく言われる筋合いはない!」と言われる。では、勝ヘ人になられた―真に奥義であり、これを知り、味わったら歓喜することでしょう。