No.1974の記事

人を動かすもの-ミーム-

ここで紹介されたベニーヒン・ビデオを御覧になって、どうしてこんな人物に酔う人々が多いのかと不思議に思われた方も多いと思います。実は精神病理で「フォリ・ア・ドゥ(folie a deux)」と言う病気があります。直訳すると「二人狂い」。別名「感応精神病」とも言われ、簡単に言えば、ひとりの病気(妄想など)が他の人へと伝染するわけです。「三人狂い」ならば「フォリ・ア・トロア(folie a trois)」と・・・。かくしてこのような妄想などの病理を共有する集団が出来上がるわけです。

この媒介をするのが「ミーム(meme)」と言われるもの。オックスフォードの生物学者リチャード・ドーキンスが80年代に提案した概念で、一言で言えば、「思いの遺伝子」(もちろん物理的な存在ではありません)。ドーキンスによると、心の中の情報単位であり、その複製が他人の心の中にも作られ様々な事件に影響を及ぼしてゆくもの。病気の人たちの間での妄想共有ばかりではなく、カルトでの共同幻想・妄想や、世の中の噂話や流行、世論の形成など、このミームが飛び交うことによってあるひとつの流れが形成されていくわけ。

ミームの感染様式には3つあり、ここでも何度も触れていますし、私の本でも解説していますが、
(1)条件づけ:要するにパブロフのイヌと同じで繰り返しによる刷り込み。
(2)認知的不協和:知・情・意の間の違和感を最小化するように自分を変えていくこと。
(3)トロイの木馬:他の関心事と混ぜてある思想の種をまき込むこと(90の真理に10の嘘を混ぜる)。

これによってマインド・ウイルスに感染するのです。この時にウイルスが増殖し易い培地(野心などの自己栄光化の欲望など)がありますと、このウイルスが増殖してある集団の中でマインド・コントロールがなされるわけ。『20世紀少年』の「ともだち」の世界もまさにこれ。この世にも流行を作り出すいわゆる仕掛け人がいるわけですが、キリスト教界の仕掛け人とは、昨今目にする「油注ぎの器」だの、「使徒・預言者」たちなわけです。彼らのまいたミームを含むマインド・ウイルスに感染し、それが人の思い(mind)の中で増殖するとき、あのベニーヒン聖会の光景が展開するわけです。彼らはすでに事実を事実として見ることができません。酔わされているからです。

一度このミームがばらまかれると根絶はきわめて難しいのです。HIV感染(エイズの源)も今年また記録を更新しましたが、これから日本はHIV感染の爆発的増加のフェイズに入ります。パソコン・ウイルスも同じ。そしてマインド・ウイルスも。一度感染してしまった人はそのミームをもったウイルスを完全に絶滅することはできません。ベニーヒンなどの特定の人物に酔っている人の目を開くことはきわめて困難なのです。かくして感染しないように、アブナイ場所には近づかない、御言葉のワクチンを接種しておくなど、私たちは自分の思いをよくよく見張る必要があるのです。

ただ、エバが蛇の悪だくみで欺かれたように、あなたがたの思いが汚されて、キリストに対する真心と純潔とからそれてしまうのではないかと心配しています。

Commented by kenji 2006年08月30日(水)23:17

実は、私は以前BH師のおっかけをやっておりました。
むろん彼の著書、ビデオ、テープの熱心なコレクターでもありましたが、唯一不満だったことは、彼の祈りによって卒倒しなかったことです^^
なぜ彼らは卒倒するのでしょうか?やはり気の力によるものなのでしょうか?

Commented by Luke 2006年08月31日(木)07:00

そうですか。kenjiさまは、多分ミームに感染していなかったのでしょう^^幸いでしたね。

卒倒する理由は、そうですね、集団心理をうまく利用しているのでしょう。ミームを上手にばらまくのですね。人の心は容易に操られるものですから。

Commented by kawa 2006年08月31日(木)10:41

信仰の行いで、何かに成功したか、勝利したかよりは、キリストと友になれたことのほうが、ずっと人生が豊かになった。キリストは合図(「日々の喜び」)をくれて、事の判断基準になってくださり、道になってくれた。

  『誰でも渇いているなら、わたしのもとに来て飲みなさい。 私を信じる者は、聖書が言っているとおりに、心の奥底から、生ける水の川々(キリストの御霊)が流れ出る。』

このことばで群衆にキリスト、反キリストで分裂が起こった。KFCが少数派とよばれようが、キリストからの驚くほどの強い喜びがあったので、KFCに集うことは主の御心でした。狭き門より入れですネ。

Commented by ICHIRO 2006年08月31日(木)21:53

このフォリ・ア・ドゥですか、
キリスト教界の中ではかなり多いと思います。
私の周りでも牧師に傷つけられたとか言って、
被害者集団がすぐにできますし、
あの人、この人のうわさ話がたちまち飛び交いますし、
閉鎖社会であればあるほど、病的になるのではないかと愚考しますが。
前にルークさんが言っておられた、言霊とも関係あるかな?

Commented by Luke 2006年08月31日(木)22:27

おっしゃるとおりです。ウイルスが閉鎖空間で感染するのと同様ですね。ニッポンキリスト教の閉鎖性は言うまでもありません。ビョウキの人を次々に製造していますから。医者が患者のウイルスを拾って被害を受けることもあるのと同じことが起きるわけです。それから「ミーム」は日本的には「言霊」と言っていいかもしれません。

Commented by ひろこ 2006年09月02日(土)10:05

 初めてBH師に連れて行っていただいたときは、あのすばらしい賛美を大勢の方々と「我が魂・・・」と歌う響きに魅せられ、キリストに心引かれたことをおもいだします。
 なんだか違う方向に行っていることが悲しくさびしい。もちろんKFCにこなかったらわからなかった。主の導きに感謝。

Commented by kenji 2006年09月02日(土)17:54

ひろこさま はじめまして^^
BHの唯一の功績は、ニッポンキリスト協会に聖霊がご人格をもたれた方であると大々的に紹介してくれたことだと思います。(彼の著書:「聖霊様おはようございます」)
それで○コーシュも儲けたはずです^^