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終着点

長女が管理栄養士の国試に向けて準備中なのだが、実習で学校や保健所などを回っている。で、本日は老人ホーム。帰ってきた彼女、疲労感と脱力感をにじませて一言:「へこんだあ、人間って、あんなになっちゃうんだ・・・。」

私も老人ホームの現状は知っているが、普通の神経ではちょっとまいってしまう。これは精神科病棟なども同じ。大学の福祉系の学生が1,2週間の実習から帰ってくると、たいていは自分の適性と進路について考え込んでしまう。「福祉」という単語のイメージと裏腹に、現実の厳しさに参ってしまうわけ。そんな彼らに私は「それは君が普通の人だからだよ」と声をかける。

すでに25%が60歳以上のニッポン。私たちもそろそろ老後に備え、死に際に備えなくてはならない時期に入っている。発つ鳥、後を濁さず。大勢の人を呼んでの葬儀などはまっぴら。インド像のようにひっそりと自分の死に場所を用意したいと感じている。家族だけに見取られたい。