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本日の一冊

アップロードファイル 33KB昨日のテーマと重なる一冊―柳田邦夫著『人の痛みを感じる国家』(新潮社)。新潮社の紹介文をそのまま紹介しよう。

匿名を盾に欲望を無制限に充足し、他者を中傷する人々。麻薬のごときゲームや映像に汚染される子どもたち。「美しい国」とお題目だけ唱え人の痛みを理解しない政治家や役人……日本人の精神はこのまま腐蝕してしまうのか。ケータイ・ネットによる人格の埋没や脳の劣化を防ぐために、見直すべき「心の情景」を説く警世の提言!

同氏は科学的見方に自信を持っておられ、ある時乗り合わせた飛行機のトラブルに見舞われて、冷静な分析をなし得て、パニックに陥ることもなかったことを誇っておられた。

ところが強迫神経症で苦しむ25歳のご子息が自殺を図り、脳死状態に陥るに至って、その慢心を打ち砕かれたと証している。その際、臓器提供をされたのが、『犠牲(サクリファイス)』としてまとめられている。

それ以後の柳田氏の著作は、それまでが機械的な無機的対象を扱っていたのに対して、脆い人間を見つめる目が深くなっていったと感じる。その他、『壊れる日本人―ケータイ依存症への決別』などもまさに現代の病理をするどく抉っている。人間の最後の関心は人間なのだ。

Commented by ぽん 2007年05月17日(木)22:01

人は痛みを知って初めて人となる
という事でしょうか・・・
きつい経験ですが
それが彼を変えたんでしょうね・・・
そうやって用いられる器になってゆくのでしょうか・・
何に?
何にでしょう・・・・
誰が?
誰でしょう・・・・