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ふう〜、思えば遠くへ来たもんだ

大学の講義も今日でオシマイ。しばらく解放されます。私たちは何かしら頭をいつも使っていますので、何も考えたくないと思うことがよくあります。とにかく頭をアイドリングして、ボーっとすること。映画に没頭したり、温泉につかったりで、このような時間がけっこう至福の時なのです。

かつて博士号は取ったものの、大学のポストがなく(あっても安月給で魅力を感じなかったのですが・・・)、予備校だけで教えていた時代は、一日に90分講義を4から5コマ、一週間に20数コマこなした時代もありました。私はたいした人気はありませんでしたが、それでも一コマ3万円ほど取っていましたから、けっこうな高給取りでした(と言っても、税金などで持っていかれてしまう)。人気があれば3千万以上、人気がなければ即クビです。要するにホストクラブです。「高給時雇い労働者」、あるいは「チョーク芸者」とも言われます。

保険も国保・国民年金で自前、失業保険もなく、病気をしても何の保証もありません。毎年春にクビがつながるかどうか、冷や冷やしたものでした。球界には労組があるが、この業界にはそれもない。要するに一匹狼の集まり。

で、結局実質的にリストラされたわけですが(切り方はきわめて巧妙に追い詰めるのですよ)、その直前に主が用意してくださったのが、今のポストです。面白いもので、底が抜けた時は、「生命保険があるから高速でわざと事故ってしまえば、保険金で家族は守れるし、マンションのローンは団信保険で返せるし、子供の学資は子供保険の年金は下りるし・・・」などと考えるのですね。

いつもGパンの私は学生の延長みたいであまり生活感がない、と言われるのですが、一応人生の荒波をくぐっているわけです。あまり浪花節は言いたくないので、こういったことはリキ入れて語りたくないのですが、年末を迎えて、帰宅途中の車の中でよくここまで来れたものだと、改めて主の御手を感じた次第です。