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事の真相

タケシの番組で歴史の裏舞台をレポートしていた。

48年間FBI長官として君臨したフーバーは、ひたすら敵になりそうな権力者や人気者の裏を盗聴し、弱みを握って自分の思い通りにしてらしい。ケネディは言わずもがな、チャップリンやあのキング牧師ですら女性との愛人関係を暴かれて、フーバーにつぶされている。(私などはボロ丸出しだから、盗聴するまでもないが^^)

しかし面白いもので、逆にフーバー自身は誰も信頼することが出来ず、つねに盗聴を恐れて、心の休まる間がなかったとのこと。結婚もせず、ペットの犬だけに心を委ねたようだ。これも独裁者の陥るパラノイドの心理である。

また忠臣蔵の吉良は実は名君であり、浅野の恨みを買うべきことはなかったらしい。実はこれはその通りらしく、浅野は木の芽時の病気、つまり鬱病による癪があったらしい。二人の喧嘩を幕府は利用して、幕府に対する民衆の鬱憤を吉良に負わせるべく、あえて大石らの討ち入りを見て見ぬ振りをしたとのこと。さらには幕府は吉良をあえて堀の外に屋敷換えした。これも実は資料で裏付けられる。

前に大石のことを書いたが、アレは脚色であることは十分知っている。そもそも松の廊下の刃傷も事実と違い、別のもっと目立たぬ場所での一件だったようだ。これらの検証は、野口武彦著:『忠臣蔵』(ちくま新書)を見るとよく分かる。地元では吉良の評判はすこぶる良いのであるが、事の成り行き上、日本史に誇るべき悪役とされてしまったわけ。

事の真相は、しばしば民衆が喜んで受け入れるところと違うところにある。