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原点

本日は都内の某予備校校舎を借りての入試。何年かぶりで電車に乗る。いつもの通りの手順で入試を終え、帰りに大森に降りる。大森は私の父と母が所帯を構えた地であり、私の誕生の地にして、田舎に引っ込んでから大学で出て来たときに下宿生活(4畳半)を始めた地でもある。つまり原点。何も持たず、何もないままに、着の身着のままに人生を始めた所とも言える。

5歳まで大森におり、当時の記憶はけっこう鮮明に残っている。一度田舎に引っ込み、また19歳で出て来たが、その当時の下宿を訪ねてみると、これが立派なマンションになっていた。しかし5歳まで住んでいた大家の家はほぼそのまま。懐かしさがグッと来る。路地もほとんど変わっていない。裸で始めて、裸で去っていく人生。いつも原点に立ち返っていないと、自分の足元を見失ってしまいそうになる。

なぜ今回大森に降りたのか。それは数日前お袋から聞いた死の3日前の親父の言葉に深いショックを受けたからだ。妻と娘の前で大声をあげて泣いた。これはしばらく私の心の中で消化するのに時間がかかりそう。原点に戻る必要を痛切に覚えさせられた。親父の救いには平安があるが、できることなら、今一度親父に会いたい。

Commented by kawa 2005年02月07日(月)13:04

次女が帝京大学医療技術学部看護学科に入学。「私を落とす大学には入ってやらない」と強気な娘ですが、聖研等にお世話になる折にはよろしく。日本キリスト教会が社会不適合を引き起こす時代だから”原点”は感動しました。