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一言映画評−アレキサンダー−

オリバー・ストーン監督作。彼独特のシリアスな視点からの作品であり、いわゆる大河物語とは一線を画す。若き王がどのように誕生し、どのような過ちを犯し、どのような苦悩を経て、どのような死を迎えるか、人間の心の闇に焦点を置いて作られている。

しかしあれだけの帝国を征服した彼の動機とエネルギーは何なのだろうかと、ふと考える。部下に裏切られ、母の影響に束縛され、自分の地上の王国を建てることにより自分を確立しようとしたのか。しかし地上の王国はやはりむなしい。

人は何も持たず、この世に来て、何も持たずに去っていく。地上の労苦は影を追うが如し。ただクリスチャンは主を知ることによって、主の懐に戻ることができる。ああ、そこは何と言う暖かさ・・・。