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ラザロのIさん召される

寿町のカナン教会の佐藤先生と久しぶりでお話しができた。とてもうれしく感じたが、その話の中で、ミッションラザロのひとり、I さんが2月16日に昇天されたと伺った。

彼は元手配師であり、上野駅などで上京した若者をスカウトして、男は工事現場(タコ部屋)、女は熱海の芸妓置き場などへ売っていた。月に400万の荒稼ぎをした時代もあったそうだが、流れ流れて寿町のドヤで一升瓶を抱いて寝る生活に落ちた。

しかし主イエスによって立ち直り、細やかな心遣いで奉仕していた。人生の酸いも甘いも知り尽くした感のある味わいのある人だった。家族とは何十年も音信普通で、戸籍も抹消されていたが、数年前復活し、二人の妹さんと連絡が取れるようになっていた。

しかし長年のアルコールによって肝臓がやられ、肝硬変を呈しており、病院をたらい回しにされて入院した時には手遅れだった。彼の遺骨は妹さんが引き取ったそうである。地上の幕屋を脱ぎ、苦痛から解放された彼は、今主の元にいる。

わが民は平和の住みか、安らかな宿、憂いなき休息の場所に住まう(イザヤ書32:18)。