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カプセルからのエクソダス

山谷少佐が対峙しているクリチャン・トゥデイ問題についても、私のローカルチャーチについても、日本と言う国の特殊性による困難がつねにつきまとう。それはこの国は孤立した島国であるばかりでなく、情報においても孤立している点。情報が直接に入らず、あるいは自ら得ようとせず、加工された操作された情報が満ち溢れている現状。これがカプセル化現象のひとつの重要な兆候。

霊的真理の理解においても言えることだが、御言葉を日本語で考えて理解した時点で、立派なニッポンキリスト教神学ができあがる。これはギリシャ語から御言葉を解き明かして下さっているDr.Kさまも指摘されるところだが、日本語聖書の訳の愚かさには困ったものである。せめて岩波訳のように変な解釈を入れずに、なるべく直訳してもらいたいものだ。日本に福音が入ったのはいつなのか諸説あるらしいが、とにかく日本語の上に営々とニッポンキリスト教を建て上げてきたわけだ。

霊的な歩みをするためには、せめて英語だけでも理解する必要がある。最近のニッポンキリスト教のメディアが出版する外国物はほとんどがいわゆる売れ筋のものばかりであり、御言葉の真理を淡々と説くものがまずない。聞くところによるとウォッチマン・ニーの『キリスト者の標準』は絶版になってしまったそうだ。アンドリュー・マーレーはもう化石だし・・・。学問の分野でも言えるが、こういった古典がない分野は必ず衰退する。

私の目にはニッポンキリスト教の将来が見えている。それは商売する牧師たちと、自分の問題だけを何とかすべくアチコチさ迷う人々の群れ。いずれ消耗して、サバイバルすら危うくなるだろう。何故か、理由は簡単である。物理学を学んだら、ニュートンの運動方程式を<f=mα>と知るであろう。これは法則であり、私たちは絶対的にこれに服する必要がある。しかし今のニッポンキリスト教では、<f=mα^2>だとか、三乗だとか、それぞれに立派なセンセイたちがご自分の説を立てておられる始末。自然科学系の訓練を受けたわれわれから見ると、ニュートン以前なのだ!実に愚かな場面が展開している。

その中で何がほんとで何が嘘かも分からずにアチコチさまよい、あえぎ、窒息して人々が何と多いことか。先生たちの振りまく無意味な教えや情報によってかき回され、強迫観念的に"リバイバル音頭"を踊らされている彼らの惨状を見るとき、せめて自分で英語くらいは学んで、自分で御言葉と対峙して、自分で情報を収集して、世界において主が何をなさっているか、自分で知ることくらいはできないのであろうか?・・・と、要らぬお世話をしたくなってしまうのだ。

ここを覗いている人にもイロイロのタイプがあるようだが、よーく考えてみて下さい。まことの愛とは、<f=mα^2>を信じ込んで、それによって自分の髪を引っ張って空を飛ぼうとしている人に、その誤りを指摘することなのか、何でも愛して許してのニコニコ牧師顔で、「はい、がんばってぇ、神様はあなたを愛しているのですから、あなたの信仰が報われて、いつか必ず空を飛べる日が来るでしょう、それまで主にあってネヴァー・ギヴアップ。あなたの努力は必ず報われますよ、ニコニコ・・・」とやることなのか。

すでにCTやLCばかりが情報遮断されたカプセル化現象に置かれているだけでなく、ニッポンキリスト教自体が閉鎖社会(カプセル)と化しているのだ(→閉鎖社会の共同幻想)。閉鎖集団では必ず倒錯現象が起こる。すでに起きているでしょう、この業界。このコップの中で、千人教会だの牧師となることを夢見、何とか団体の理事長だのにのし上がり、この業界の有名人として名を残したい人々の群れ。やれやれ・・・。何ともな悲喜こもごもの漫画だと思いませんか?