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ヒトラー最後の12日間

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http://www.hitler-movie.jp/

久しぶりにカミさんと映画を観てきた。ドイツ語も25年ぶりだったが(苦労しました・・・)、彼の秘書だった女性の書いた本(草思社刊)に基づく映画。一言、実にコワイ。配役も実在のキャラにとてもよく似ている。

第三帝国を夢見た(妄想した)ヒトラーが追い詰められ、パラノイド(被害妄想)を深め、重臣に次々に裏切られる中で、ソ連軍がベルリンに侵攻するに及び、最後を迎えるべく、青酸カリのカプセルとピストルの使い方をドクトルから講義される場面が実にコワイ。対照的に愛人エヴァの妙な明るさも、またコワイ。宣伝相ゲッペルスの婦人が6人の子供たちに睡眠薬を盛り、寝ているひとりひとりの口にカプセルを咥えさせ、アゴをガリっと閉じさせていく場面も、なおコワイ。


ヒトラーと言えばユダヤ人の虐殺であるが、彼自身がユダヤ人の血を引くとと言う説もある。これを題材にした手塚治虫の名作『アドルフに告ぐ』も面白いが、実にコワイ。精神病理的に言えることは、いわゆるいじめっ子といじめられっ子は同じ病理を持つ。役割分担がその時のダイナミクスで変わるだけ。

ユダヤ人を600万(数字については異論があるが)虐殺したヒトラーも、民間人に原爆を落として一瞬にして数十万人を焼き殺したトルーマンも、本質は同じなのだ。原爆を開発し、爆撃計画し、エノラ・ゲイからビデオに撮った何とかと言うアメリカの博士が、ふたりの老いた被爆者に対して、「自分は決して謝罪はしない。リメンバー・パールハーバーだ。お幸せに・・・」と捨て台詞を吐いていた番組を見たが、これもコワイ。おそらく彼も事実を直視したら発狂するから頑なにならざるを得ないのだろう。

不思議なのは、私の友人にもドイツのご婦人がいるのだが、ケラケラと実に明るく、楽しいオバチャンなのだが、そのような人たちがなぜ・・・と。まあ、こちらも同じだなのだが・・・。地球上で一番コワイものは何かと聞かれたら、「それは人間だ」と私は躊躇なく答える。(今TVでやっている山崎豊子の『女系家族』もかなりコワイし、表面だけキレイなキリスト教界やニコニコ牧師スマイルしているセンセイも相当にコワイかな・・・)

<小泉氏=ヒトラー>説もまかり通るこの蒸し暑い夏に、怪談話よりも、もっとヒンヤリしたい人にお薦めする。