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偶然と必然

山谷氏の掲示板で外科医さまの提起された刑法に関して、決定論か、非決定論かの議論が展開されており、なかなか面白い。

で、われわれ自然科学者からすると、実は、偶然と必然は区別ができないのだ。

例えば、コインを投げたとしよう:

 (※) 裏、表、表、裏、表、裏、裏、裏・・・

と続く時、皆さんはこれを見て、これは必然によって生み出されたか、偶然によるのか、お分かりになります?実は数学的には区別ができないのです!

今ここに非線形変換を

 (※※) a(n+1)=λa(n)(1-a(n))

と定義します。これはa(1)を与えれば、この規則(決定論)によって、a(2),a(3),a(4),...が一意に決まってしまいます。

一方で(※)の系列は実はコイン投げの結果です。さてここで(※※)のλをうまく取り、a(n)が0.5以上ならば裏、未満ならば表に対応させると、あーら不思議。(※)の系列を決定論的な上式(※※)によって作り出すことができるのです!

 つまり偶然を必然から作り出すことができるのです!

このような理論を「カオスの理論」と呼び、現代のひとつの大きなサイエンスの分野を構成しています。

私たちサイエンティストから見ると、神学は単なる言葉遊びにしか見えないが、果たして神学はこういった分野を取り扱うことができるのでしょうか?ニュートン以前と言ったらむくれてしまわれたようであるが、富井氏もぜひ謙虚さを身につけて、もう少し学んでほしいところです。

Commented by Luke 2005年12月06日(火)23:24

CGによる目で見るカオスについてはこちらをご覧下さい:
http://brain.cc.kogakuin.ac.jp/~kanamaru/Chaos/

私の上の非線形写像によるカオスは、「ロジスティック写像」のところでシミュレーションできます。

Commented by ICHIRO 2005年12月07日(水)16:39

へえ、これは面白い。
このCG、意味は分かりませんが、遊べました。
必然から偶然が作られ、無秩序から秩序が生まれる、、、
う〜ん、今晩、眠れなくなりそうです。