第10回 親と子の関係


1.父親の顔に似る娘は祝福される

最近の調査によると、女子中学生のうち、父親のような男の人と結婚したいという割合は18%位だそうです。父親の端くれとしては、その割合が少なくとも5割は越えて欲しい気がして情けなく残念です。

それとは別に、わが家では高校一年生になった16才の娘、雅葉が最近になってますます父親の私に顔が似てきました。誰が見ても、すぐ親子だと分かってしまいます。妻と私は、「昔から顔が父親に似ている娘は幸せになれると言われているよ」と慰めるのが精一杯です。

私は今年で50歳になりましたが、声の出し方、歩き方や何気ない仕草が、私の父にそっくりになってきたと周囲から言われます。ちょっとしたことで娘に注意をしようものなら、「お祖父ちゃんにそっくり」と娘からも妻からも冷やかされます。医学的に言えば、子供が親に似るのは、DNAの働きであり、血縁というもので当たり前です。いくら自分で努力したとしても、木村拓哉や藤原紀香の顔には似てきません。

聖書には、私たちが「キリストに似た者」となると次のように約束されています。
愛する者たち。私たちは、今すでに神の子どもです。後の状態はまだ明らかにされていません。しかし、キリストが現れたなら、私たちはキリストに似た者となることがわかっています。なぜならそのとき、私たちはキリストのありのままの姿を見るからです(第一ヨハネ第3章2節)


2.神の子どもであるという確信

中国残留孤児の親族探しが続けられていますが、自分の父親が誰だか分からないほど、不安定な状態はないと思います。「ルーツを探りたい。」というのは、人間として当然の希求であり、この親族探しの報道に接する度に未だに残る戦争の悲劇の大きさを改めて感じています。

聖書には、私たちがどのような状況になっても、パスポートを発行してもらえる方法が記されています。
しかし、この方(イエス・キリスト)を受け入れた人々、すなわち、その名を信じた人々には、神の子どもとされる特権をお与えになった(ヨハネの福音書第1章12節)

イエス・キリストを信じた人は神の子どもとなるというのですから、私たちの現代医学の知識では絶対解明できないことです。ですから、私たち人間がこのことを心で信じることができるか否かがポイントです。

私は、キリスト信仰を持ったその日から「私は神の子どもなのだ。」という、自分でも驚くほど強い確信を持つことができました。そして、「私の父と自分との関係」と「自分と娘との関係」を思い巡らす中で、神の血を受け継ぐ子どもとされることの大切さと幸いを痛感している今日この頃です。


3.あなたの父と母を敬え

かの有名な十戒には、前半で神様を愛することが記され、後半で人を愛することが記されています。すなわち第1戒から第4戒が、神様と人間のあるべき関係が示されており、第5戒から第10戒までが、人と人とのあるべき関係が示されているのです。その中間にある第5番目が、「あなたの父と母を敬え。」です。

親孝行の大切さを言わない宗教はありませんが、聖書の神様が、後半の人に関する戒めの始まる最初にこれを置かれたのには大きな意味があります。天と地とその中にある人間を含めたすべてのものをお創りになった神様が、男と女から嬰児(みどりご)を誕生させ、その父母に子どもの成長を託されました。そして、創造主なる神様ご自身を父(アバ)とされ、御自身と人間との「縦の関係」の大切さをまず求め、それから人間同士の「横の関係」の戒めに移っているのです。

新約聖書のエペソ人への手紙第6章1〜3節には、親子の関係について次のように記されています:

子どもたちよ。主にあって両親に従いなさい。これは正しいことだからです。『あなたの父と母を敬え。』これは第一の戒めであり、約束を伴ったものです。すなわち、『そうしたら、あなたはしあわせになり、地上で長生きする。』という約束です。


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